性格心理学研究
Online ISSN : 2432-695X
Print ISSN : 1345-3629
自己愛傾向が自己像の不安定性, 自尊感情のレベルおよび変動性に及ぼす影響
小塩 真司
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2001 年 10 巻 1 号 p. 35-44

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抄録

本研究では, 自己愛傾向と自己像の不安定性, 日常の自尊感情レベルおよび変動性との関連, ならびに自己愛傾向が自己像の不安定性を媒介して自尊感情の高さおよび変動性に与える影響について検討した.184名の大学生に対し, 調査1として自己愛人格目録短縮版(NPI-S), 自己像の不安定性尺度を実施し, 調査2として1日の出来事, その出来事の評価, 自尊感情尺度を6日間連続で記入する日記法による調査を実施した.結果から, 自己愛傾向のうち「優越感・有能感」「自己主張性」が日常の自尊感情の高さに関連し, 「注目・賞賛欲求」が自己像の不安定性および自尊感情の変動性に関連することが示された.またパス解析の結果から, 「優越感・有能感」「自己主張性」が自尊感情のレベルに正の影響を与えること, 「注目・賞賛欲求」が自己像の不安定性を媒介して自尊感情の変動性に正の影響を与え, 自尊感情のレベルに負の影響を与えることが示された.

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© 2001 日本パーソナリティ心理学会
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