抄録
本研究の目的は, 人格特性(STAI特性不安)とストレス-イベントが夢想起の頻度に及ぼす影響を検証することにある. 125人の高校生が, ストレス条件(期末試験前)と統制条件(夏休み前)の両方において, 夢を想起するよう求められた. 期末試験をストレスと認知した生徒は, 統制条件よりもストレス条件において, より多くの夢を想起した. さらに, これらの生徒について分散分析を行った結果, 特性不安とストレス-イベントの交互作用が有意であった. これらの結果は, 夢想起の頻度におけるストレス-イベントの主効果モデルと, 人格特性とストレス-イベントの交互作用モデルを支持している.