心身医学
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「入院拒否感」を通してみた摂食障害の病態と治療(摂食障害の病態と治療)(第36回日本心身医学会総会)
黒川 順夫鎌田 穣田中 貴子松島 恭子三船 直子河合 雅代琴浦 志津
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1996 年 36 巻 2 号 p. 123-128

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抄録
神経性食欲不振症(AN)は神経性過食症や健常者に比べて「入院拒否感」を有意に多くもっていることを, 我々は以前から指摘してきた。そこで, ある体重以下になれば入院するという外来限界体重(入院体重)を設定するため, 「入院体重設定療法」と名づけたANの外来治療法を開発し, 黒川内科で実施してきた。この治療法により80%のANで治療効果を示し.ANの外来治療法としては基本になるべきものと考えられた。また今回の調査で, この治療法を受けたANの大部分が予後良好であり, 順調な経過をとり, 体重や精神的な回復がみられるにもかかわらず, 「入院拒否感」をなお保っている症例が多いことが分かった。
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© 1996 一般社団法人 日本心身医学会
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