抄録
大規模な設備が不要で,被検者に対しても様々な負担がかからない歩行分析を検討する目的で,痙直型脳性麻痺児20名,正常児10名を対象に側方からの映像歩行解析を行いスティックピクチュアにより定量化した。その結果,crouching gaitを呈する脳性麻痺群と正常群との間に歩行速度,股関節・膝関節の運動性,歩幅,立脚期/遊脚期の比率との間に有意差が認められたが,上下の重心動揺は有意差が認められなかった。また脳性麻痺群において,歩幅と歩行速度の間の相関傾向が,正常児群において,年齢と歩行速度の間の相関関係がそれぞれ認められ,その他のパラメーターも含めcrouching gaitの特徴を定量化により示すことができた。