小児期の心身症の部, たとえば夜尿やチック障害では, その発生機序が解明され, 有効な薬剤を使用することが可能となり, また自然経過も判明してきた.この分野の今後の問題として, 心身医学的治療の効果による改善と自然経過を分離して評価する必要がある.また発症初期に心身症が疑われたが, 最終診断は心身症でなかった症例を経験することがある.現在, 日本小児心身医学会の研修委員会では, 今後の卒後教育のためにこのような症例の集積と診断上の問題点の検討を開始した.また小児科医にとって, 小児の心身医原を研修する機会は十分ではない.われわれは教育のための新しいシステムを準備する必要があると考えており, その中では講義やセミナーだけではなく, 短期間の特殊外来での見学やトレーニングも含めて検討している。