心身医学
Online ISSN : 2189-5996
Print ISSN : 0385-0307
ISSN-L : 0385-0307
肥満症治療における咀嚼の意義とその臨床的応用について
大隈 和喜吉松 博信坂田 利家足立 和代
著者情報
キーワード: 咀嚼, 肥満症, 減量, 満腹感
ジャーナル フリー

2000 年 40 巻 3 号 p. 247-253

詳細
抄録

肥満者には荒噛み, 早喰いなどの食べ方の問題点がある.一方, 咀嚼で摂食量が減ることも微証がある.そこで肥満症治療の技法として「咀嚼法」を考案した.「咀嚼法」は1口30回咀嚼させ, その成否を○×で用紙に記録させる.21名の肥満症患者に対し, 日本食化超低エネルギー食, ならびに低エネルギー食を用いた入院減量プログラムに本技法を併用した.入院中本技法を継続することで咀嚼習慣をつけさせた.退院後に追跡調査できた12名の患者を, 退院後さらに減量できた減量群とそうでない非減量群に分け, 治療前後の食べ方や満腹感覚を比較した.その結果, 減量群では咀嚼に代表される食べ方の改善が認められ, 満腹感覚も回復していたことなどが示唆された.

著者関連情報
© 2000 一般社団法人 日本心身医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top