心身医学
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気分変調を伴う強迫性障害患者への認知行動的介入の1例
金 外淑村上 正人松野 俊夫
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2006 年 46 巻 3 号 p. 223-231

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抄録
本症例の強迫症状の現れ方の背景には, 他人と関わりあうと表面を取り繕わなくてはならないという強迫観念があり, その不安を避けるためいくつかの強迫行為が行われている.同時に, 気分の起伏が激しく, 情緒的不安状態の臨床的特徴がみられる症例であつた.そこで, 心理技法と組み合わせて認知行動的介入が行われた結果, 心理的負担の軽減を図り徐々に自分を受け入れるようになってきた.また, 気分の変化による行動特徴を予測できるようなり, 強迫症状は残存するものの強迫行為に伴う苦痛や不安が軽減し, 精神的に落ち着いた状態が続いている.
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© 2006 一般社団法人 日本心身医学会
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