2006 年 46 巻 4 号 p. 293-300
目的:交代勤務体制が与える睡眠・QOL (quality of life)・抑うつ・不安状況への影響について検討することを目的とした.対象・方法:某事業所の男性職員571名のうち常日勤者307名,交代勤務者264名を対象にピッツバーグ睡眠質問票(PSQI), WHOQOL26, SRQ-D, STAIを行った.結果:(1)PSQI:交代勤務者のほうが睡眠障害を認め,夜間勤務後に睡眠時間が短く熟眠感が得られなかった.(2)WHOQOL26:社会面で交代勤務者のほうが高値を示した.(3)SRQD:常日勤者のほうが高値を示した.(4)STAI:状態不安,特性不安ともに常日勤者のほうが高値を示した.結論:交代勤務者のほうが睡眠障害を認め,勤務体制では夜間勤務後に睡眠障害を認めた.QOLは社会面で常日勤者のほうが阻害され,抑うつは常日勤者のほうがうつ傾向が高く,不安感は状態不安・特性不安ともに常日勤者のほうが不安を感じやすい結果であった.