心身医学
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心身医学研究における医療人類学の貢献(シンポジウム/心身医学の研究方法の開発を目指して-要素還元主義による研究を乗り越えて-,2005年/第46回日本心身医学会総会/奈良)
辻内 琢也鈴木 勝己辻内 優子鄭 志誠熊野 宏昭久保木 富房
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2006 年 46 巻 9 号 p. 799-808

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抄録

「医療人類学」は社会・文化人類学の一分野として,健康や病いと社会・文化システムとの関係を探求してきた.本稿では,はじめに病いの経験の社会的・文化的な相互作用を明らかにするうえでとても有用な,(1)多元的ヘルスケアシステム,(2)説明モデル・アプローチ,(3)病いの語りと臨床民族誌,という三つのキーコンセプトについて解説する.次に,われわれがこれまでに取り組んできた,医療人類学的アプローチを応用した質的研究3点を具体的に提示し,物語りに基づく医療(ナラティプ・ベイスト・メディスン; NBM)の理論的骨格の一つとも言える,「医療人類学」の目指す学問的姿勢を明らかにする.

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© 2006 一般社団法人 日本心身医学会
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