産婦人科および外科で心理士として行った女性に対する心身医療について報告する.産婦人科での心理療法は,更年期障害の個人療法に始まり,そのほかの疾患の依頼にも広がった.更年期女性に対してはのちに集団療法を導入することとなり,さらに外科における乳がん女性にも集団療法を応用した.また外科でも個人療法を行い,ターミナルケアの事例もあった.個人療法の具体的事例については,女性のライフサイクルでの「生老病死」に沿って紹介する.心理士としての活動は,基本としてチーム医療で行い,ニーズに合わせて展開していった.その際,自律性の尊重と相互の信頼関係が大切である.一般病院でのターミナルケアの難しさや心理士の地位の不安定さなど,克服すべき課題は多い.今後さまざまの分野で専門性を生かした心理士の自律的な活躍を期待している.