心身医学
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小児心身医療における心理士と小児科医の連携の重要性について(合同シンポジウム:心身医療における心理士の活動と責務,2009年,第1回日本心身医学5学会合同集会(東京))
作田 亮一金谷 梨恵田副 真美
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2010 年 50 巻 2 号 p. 109-114

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抄録

はじめに:われわれは,小児心身医療を,より医学的・心理学的観点から有効かつ安全な運営ができるように努めてきた. 目的:心理士の活動の重要性について述べる. 結果: 1)摂食障害児の入院加療を例とした包括的医療:入院初期は主に医師チームが行い,身体症状が落ち着いた中期から退院までは心理士のかかわりが大きくなった.心理士からの情報は医師の治療方針決定に大きな影響を及ぼした. 2)外来診療における医師と心理士の連携:基本的に患児を心理士と医師が同日に診療した.患児の問題点を心理士と医師がすばやく共有し解決への方策を打ち出すことができた. 結論:小児心身症は,子ども自身のさまざまな要因によるストレスに対する脆弱性や未発達,環境などによって大きく変化するので,変化の現れた患児を理解し治療を行うのは医師だけでは難しく,心理士がその専門性を生かし十分医師と連携しあいながら診療を進めていくことが重要と考えられた.

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© 2010 一般社団法人 日本心身医学会
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