抄録
メタボリックシンドローム(MetS)という言葉がマスコミに公表されてからはや6年が経過し,MetSをターゲットとして2008年にスタートした特定健診・保健指導制度も2012年で5年目を迎えている.MetSは動脈硬化性疾患のハイリスク群であり,その予防に向けた生活習慣の是正が何より重要である.古典的にはやせ型が優位であった日本人の糖尿病は近年小太り型が主体となり,現在では日本人2型糖尿病患者の4〜5割がMetSを伴っていると報告されている.したがって昨今の2型糖尿病患者の治療にあたっては,MetSの存在を考慮しながら生活指導や薬剤選択をする必要がある.本稿では,MetSを伴った日本人2型糖尿病患者の特徴を,炎症や動脈硬化の観点から,あるいは体組成の観点から焦点を当てて概説し,一部の血糖降下薬のMetSに対するユニークな作用についても紹介する.