抄録
本研究は,社交不安障害(SAD)の維持要因である不安のコントロール感を取り上げ,測定尺度を整備するとともに,その特徴について明らかにすることが目的であった.調査の回答に同意の得られた大学生251名およびSAD患者14名に対して,質問紙調査を行った.分析の結果,不安のコントロール感尺度は,回避・冷静・願望の3つの因子から構成されることが明らかにされた.各因子は,SAD症状と中程度の正および負の相関関係が認められた.また,SAD患者は,一般大学生に比べて,SAD症状が有意に高く,不安のコントロール感が有意に低いことが示された.以上から,SAD患者は,SAD症状は高く,不安のコントロール感の低いことが示された.さらに,他の不安障害との違いを検討する必要性についても示唆された.