心身医学
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ワークショップ特集/東洋心身医学の確立~心療内科学講座が担う漢方医学の臨床,研究,教育~
関西医科大学附属病院における漢方の使用実績と卒前卒後教育
水野 泰行福永 幹彦
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2016 年 56 巻 11 号 p. 1111-1114

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抄録

漢方は東洋の人間観である身心一如を重視する心療内科となじみが深く, 重要な治療手段と位置づけられている. 関西医科大学附属病院における3カ月間の外来処方を分析すると, 漢方薬の26.0%を心療内科が処方していた. 次いで女性診療科 (10.9%), 消化器外科 (6.5%), 総合診療科 (5.8%) の処方数が多かった. 外来患者1人あたりの処方数では心療内科が0.63と最も多く, 続いて総合診療科 (0.15), 精神神経科 (0.12) が比較的多かった. 方剤の種類も心療内科が最多で, 総合診療科とともに多種類の方剤がまんべんなく使われていた. 一方, 精神神経科, 消化器外科は少数の方剤を多数使用する傾向があった. 卒前教育では3学年の講義50コマのうち8コマを東洋医学に割り当てている. 卒後教育では当講座主催のセミナーと複数科からなる世話人会による研究会をそれぞれ年1回, 初心者向けのセミナーを年2回開催している.

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© 2016 一般社団法人 日本心身医学会
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