2016 年 56 巻 2 号 p. 142-147
現在の最新のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインは2009年に日本皮膚科学会誌に掲載されたものが使われている. 定義, 診断基準, 重症度分類, 治療の手順が紹介されている. 重症度分類の中には皮疹の面積や程度による分類のほかに, かゆみの評価やQOLによる評価としてSkindex-16やDermatology Life Ouality Index (DLQI) (いずれも日本語版) も紹介されており, 本疾患が皮膚のみの問題ではなく, 心身医学的な側面があることを示している. 治療においてはステロイド外用剤や抗ヒスタミン薬が詳しく紹介されている. 心身医学療法は, 重症・最重症・難治性状態の場合や全体的な補助療法として紹介されている.