心身医学
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原著
思春期以降の回避・制限性食物摂取症の臨床症状について
中井 義勝任 和子鈴木 公啓
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2017 年 57 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

食行動異常のため受診した患者を対象に, DSM-5診断基準を用いて回避・制限性食物摂取症 (ARFID), 神経性やせ症摂食制限型 (AN-R) とAN過食・排出型 (AN-BP) の診断を行い, その臨床症状を3群間で比較検討した. ARFIDは, 食行動障害および摂食障害群570例中83例 (14.6%) で, 全例が女性であった. ARFIDはAN-BPに比し初診時年齢が若く, 罹病期間が短かった. 精神病理を検討した結果ARFIDが3群間で最も低いことを示唆する結果であった. 今回検討した思春期以降のARFIDの臨床症状は欧米で報告されている小児のARFIDの臨床症状と異なる点があった.

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© 2017 一般社団法人 日本心身医学会
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