心身医学
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心身医学講習会特集/専門医のための心身医学講座
Evidence Based Medicine (EBM) の先にみえるもの
—ヘルスコミュニケーションと問題解決アプローチ—
中尾 睦宏
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2017 年 57 巻 10 号 p. 1032-1039

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抄録

Evidence-based medicine (EBM) では, つくる側と利用する側で, 情報の集め方が異なる. つくる側の立場では, 最新の医学的文献を集め, その中身を精査し, 批判的吟味 (critical reading) をする. EBMを利用する観点に立てば, 医療者でない人, つまり患者や健康な人に対して, できるだけわかりやすく正確に情報提供される必要がある. その際, 情報で終わるだけでなく, 現実の問題を解決するための具体的な道筋が示されなくてはならない. 筆者は5年前の心身医学講習会で, 2つのEBM実践例について発表をした (心身医学52 (12) : 1110-1116, 2012). 「高血圧症へのバイオフィードバック療法」 と 「慢性腰痛を有する心気症患者への認知行動療法」 である. 本稿では, 2つの実践例がその後どうなったかまとめる. そしてEBMの先にある課題として, 「ヘルスコミュニケーション」 と 「問題解決アプローチ」 について紹介をする.

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© 2017 一般社団法人 日本心身医学会
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