2017 年 57 巻 11 号 p. 1127-1132
筆者の診療所において, 12年間に受診した高校生160名のうち心療内科を希望した者117名について検討した. 約65%は医療機関または学校から紹介されて受診した. 主訴では不登校と睡眠障害が多い. 診断名は心身症として過敏性腸症候群, 緊張型頭痛, 起立性調節障害, 過換気症候群, アレルギー性疾患, 摂食障害など, 精神疾患として気分障害, 不安障害, 適応障害, 発達障害などであった. 治療法として薬物療法と心理療法士によるカウンセリングが行われた. 39%は受診が1, 2回で, その多くは診療が中断していた. 残りの半数以上の症例は2年以内で治療が終了し, 63%で改善を認めた. 早期脱落例や小児科から心療内科への移行について考察を加えた.