2017 年 57 巻 11 号 p. 1133-1142
海外でMindfulness-Based Stress Reduction (MBSR) の有用性が示されている. 今回MBSRで使用されるCDを用い, 8週間のプログラムを主に慢性疾患患者を対象として実施した結果をレトロスペクティブに解析し, 本邦における実施可能性および効果を検討した. 参加者15例 (男性4, 女性11, 年齢〔±SD〕 : 61±12歳) 中, 13例 (87%) で最終評価が可能であり, 自習回数は平均4.6±1.6回/週, 時間は33±14分/回であった. QOLの指標であるSF-36は12例で評価可能であり, 下位尺度で “日常的役割機能 (身体) ” およびサマリースコアで “役割・社会的健康度” に改善を認めた. 効果量で中等度以上の改善 (Cohen’s d≥0.5) が “日常役割機能 (身体) ”, “活力” および “役割・社会的健康度” で認められた. 本邦における実施可能性および有効性が示唆され, 適切な試験デザイン・症例数でのさらなる検討が必要と考えられた.