症例は40代, 男性. 中学生の頃から咽喉頭部の狭窄感, 嚥下困難があり改善, 増悪を繰り返していた. 種々の薬物療法, 心理療法を受けたが改善せず, 食事摂取量・体重が減少してきたため入院となった. アレキシサイミア, うつ状態を伴っていた. 行動制限, 二人の自分の概念の導入, 患者の記載するレポートをもとにした面接を行った. 患者は症状が改善しないことにいらだち, 治療者に激しい怒りの感情を投影したため, 二人の自分の対話という形式でレポートを記載することを患者に提案した. しぶしぶではあったが実践し, 次第に治療者に投影された陰性感情は緩和された. 治療者との信頼関係も改善され, 治療が中断されることなく継続されるうちに, 患者は内省が可能となり, 食事も摂取できるようになった. 二人の自分の対話という形式でのレポート記載は, 治療者に投影された患者の陰性感情の緩和, 良好な治療関係の構築, 内省の促進に有効であると考えられた.