心身医学
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企画シンポジウム特集/女性心身医学診療の実際と将来
女性の骨盤痛に対する対角線上の穴の鍼治療
佐野 敬夫
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2018 年 58 巻 8 号 p. 703-707

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抄録

疼痛は産婦人科を受診する患者の主訴として最も頻度の高いものの一つである. その原因として子宮内膜症や卵巣腫瘍などの有無が検査対象になるが, 実際には器質的な疾患としてとらえられないことのほうが多い. 骨盤内うっ血症候群もその代表的な疾患であるが漢方薬や抗うつ薬の投与でほとんどの症例が改善する. しかし, 疼痛部位が坐骨神経, 恥骨結合部などに限局した下腹部痛では治療が困難である. このような症例には対角線上にある経絡に治療穴を取る陰陽太極鍼による鍼治療が有効である. 延べ100例の限局した骨盤痛の患者に対して鍼治療を施行したところ95例がほぼ即効的に痛みは消失した. 疼痛部位は坐骨神経が37例, 恥骨結合部が30例, 鼠径部が25例, 尾骨が9例, 股関節が5例, その他9例であった (重複例を含む). 効果のなかった5症例は, 瘀血が3例, 器質的な炎症が1例, 統合失調症が1例であった.

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© 2018 一般社団法人 日本心身医学会
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