2019 年 59 巻 2 号 p. 144-149
大学病院の心療内科において, 医療心理士は, 臨床, 教育, 研究の3要素にわたる役割を果たすことが重要である. 臨床では, 第一に, 心理面と身体疾患の両方についての知識や理解をもって, 患者を全体像から把握し, 心身両面からサポートする. 身体生理機能についても習得する必要が求められ, その視点をもつことは, 身体疾患を対象とした多くの領域において役立てるものである. 第二に, 患者一人ひとりを尊重したオーダーメイドの援助が重要である. また, チーム医療の一員として, お互いの専門性を理解し活かし合える関係を築き, 患者のQOL向上に努める. 身体疾患の知識を更新すべく, 学会主催の教育講演, およびeラーニングを積極的に利用する. 次に教育では, 心身症の病態を踏まえ, 心身相関の観点をもって, アプローチするよう指導する. 実践教育が大事であり, 熟練した医療心理士が指導することが重要である. 研究では, エビデンスに基づき, 心療内科に多い心身症に対して, その疾患の特異性に特化, 考慮し, 認知行動療法など新規心理療法を開発する一助を担う. 医療心理士は, 医療分野に特化した知識および技能を十分に身につけ, より高い水準の心理職を目指すことが責務である.