2020 年 60 巻 8 号 p. 669-673
アサーションは自他を尊重した自己表現であり, 行動療法の伝統から生まれた概念である. 従来のアサーションの概念にはその適用場面が限定されることと, 攻撃的行動との線引きが困難であるという2つの課題が存在していた. これらの課題を解消する概念として機能的アサーションが提唱されている. 機能的アサーションとは, 人がある必要性に迫られた際に当該の課題をより効果的に達成し, かつ相手から, より適切と判断される対人コミュニケーションである. 機能的アサーションの特徴と, 機能的アサーションを実現するための方法論について議論する.