心身医学
Online ISSN : 2189-5996
Print ISSN : 0385-0307
ISSN-L : 0385-0307
特集 肥満の心身医学
肥満の最近の知見と問題点
野崎 剛弘小牧 元須藤 信行
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 61 巻 3 号 p. 231-241

詳細
抄録

肥満は先進国のみならず, 発展途上国でも爆発的に増加している. 肥満症は多くの医学的合併症や併存疾患が出現する慢性代謝疾患である. 肥満に関連する健康被害と医療コストは莫大なものとなっている. 肥満症対策は各国での喫緊の課題であり, さまざまな取り組みがなされているが, 十分に成功しているとは言い難い. 一方, 肥満症は非常に複雑な多因子疾患でもある. 肥満症は, 遺伝的, 生物学的, 心理的, 行動的, 家族的, 社会的, 文化的, および環境的要因がさまざまな形で影響し合って発症, 進展する. したがって, その治療は, 肥満症が慢性疾患でありかつ多因子疾患であることを考慮に入れて, 総合的に行われる必要がある. 本稿では, 肥満の生物学的, 心理社会的要因および治療について, 最近の知見と問題点を交えて概説する.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本心身医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top