日本の心身医学の国際的展開を海外への発信と交流を含めて論述した. 第一に, 国際心身医学会の参加経験を示した. 最も重要な学会は2005年に日本の神戸で開催された国際心身医学会である. この学会には天皇皇后両陛下をお迎えした. 特に, 天皇陛下のご挨拶は, 真に心身医学の重要性を理解していなければ成し得ない深い内容であったため, 各国の専門家に強い印象を残した. 心身医学の国際情勢について, 欧州, 特にドイツ, 英国, イタリア, スウェーデンにつき記述した. 第二に, 海外における留学生活を論じた. 同僚による査読や研究者間の合理的討議の重要性を再認識した. 第三に, 米国心身医学会の参加経験を示した. 米国心身医学会の歴史と創立者らの情報を入れた. 第四に, ローマ委員会について述べた. 脳腸相関病が生物心理社会モデルが最も適合する典型疾患である. 第五に, 日本の心身医学の国際的展開の未来像を示した. 今後さらに国際交流を進め, 日本の心身医学を国際的に顕示することが重要である.