心身医学
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教育講演
オンライン診療やAIを活用した今後の精神科医療の展望と課題
木下 翔太郎岸本 泰士郎
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2023 年 63 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

精神科領域は大部分が互いの顔を見ながらの会話で診療が成り立つことから,古くからビデオ通話を用いたオンライン診療が行われてきたが,COVID-19のパンデミックは,その活用を世界的に加速させた.また,今後の情報通信技術の発展とともに,患者の状態を病院外でも観察・管理するような遠隔モニタリングは全医学領域で増すものと思われる.精神科領域でもウェアラブルデバイスを用いた患者の状態把握,予防への利用などが期待される.筆者らは日本医療研究開発機構(AMED)の委託研究として,5大学を含む17の病院,診療所とともに,オンライン診療と対面診療の効果を比較するpragmatic trialを開始した.同じくAMED委託研究としてウェアラブルデバイスを用い,機械学習を活用したうつ病スクリーニング技術の開発を行っている.本稿ではJ-PROTECTや,ウェアラブルデバイスを用いた試験を紹介し,今後の精神科領域におけるオンライン診療やAIを活用した医療の展望や課題につき議論する.

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© 2023 一般社団法人 日本心身医学会
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