心身医学
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シンポジウム:糖尿病の最新医療と面接法の適切な使い方
1型糖尿病の診療における治療者の役割
波夛 伴和
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2023 年 63 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

この10年間で,九州大学病院心療内科を受診する1型糖尿病をもつ人の主訴は大きく様変わりした.以前は,過食やインスリンオミッションを伴う摂食障害を併発した人が受診者の大半を占めていた.一方,近年では,摂食障害併発例の紹介は減り,器質的な異常を認めない身体症状が主訴の人が増えている.当然のことであるが,受診者それぞれに病態は異なり,それに応じて治療法も異なる.本稿の前半では,病態を考えるうえで知っておきたいセルフスティグマの概念,1型糖尿病をもつ人の状態に合わせた3段階の心理社会的ケアについて紹介する.後半では,近年当科を受診した1型糖尿病をもつ人を,試験的に病態別に4つのタイプに分けて,有効と思われる治療法および治療者が果たすべき役割について考察する.

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© 2023 一般社団法人 日本心身医学会
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