心身医学
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シンポジウム:糖尿病の最新医療と面接法の適切な使い方
プライマリケアにおける心療内科医の糖尿病診療の取り組み
―カウンセリングとコーチングの活用, ヒアリング用ツール “わくわく健康マップ” について―
久我原 明朗佐藤 幸恵吉田 大祐
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2023 年 63 巻 1 号 p. 33-38

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抄録

糖尿病の療養指導も問題解決型思考で行われることが多い.つまり「高血糖が持続することにより将来の合併症発生リスクが高まる(問題がある),だから今の生活を望ましい方向に変えましょう(解決行動を促す)」という論理である.しかし,一部にはそれだけでは前進しないこともある.糖尿病罹患による対象喪失体験という心理的課題を抱えたり,治療指標の達成の先にある生活目標にフォーカスしないとモチベーションが維持しにくいことがある場合,カウンセリングマインドやコーチングを活用したかかわり方を柔軟に選択することが望ましい.

医療従事者にとって,コミュニケーション技術を実践的に学ぶ場は希少であり,各自が試行錯誤している.そこで「わくわく健康マップ」というヒアリングシートを開発した.これは面談のガイドマップで,生活習慣(生活基盤)や本人の生活の喜びを聞き取りながら,自己肯定感を高めるというエンパワーメントにフォーカスした対話を支援する.

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© 2023 一般社団法人 日本心身医学会
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