日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
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原著
尿の腎実質内逆流現象診断法
-逆流性腎症における腎不全予防への新しい試み-
松元 透石橋 正敏野正 貴予元山 浩貴真栄城 尋子藤松 亜希子間 克麿伊藤 雄平加藤 裕久
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1998 年 11 巻 1 号 p. 15-18

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抄録

 小児期末期腎不全の原因として逆流性腎症は重要である。本症の病態として重要な尿の腎実質内逆流現象の診断法は確立されていなかった。今回われわれは,99mTc-diethylene-triamine-pentaacetic acid (DTPA) を膀胱内に注入することで膀胱尿管逆流現象にともなう腎実質内逆流現象を診断する方法を確立した。さらに,膀胱尿管逆流現象のある3症例に対して本法を施行した。本法は,腎盂-尿細管領域における尿流動態を検討する上で簡便かつ非侵襲的な方法であり,腎臓実質の各部位における腎実質内逆流現象を半定量的に測定かつ視覚化する方法として有用と思われた。

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© 1998 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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