日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245
総説
一次性膀胱尿管逆流症患児におけるACE遺伝子多型の検討
大友 義之金子 一成福田 豊宮野 武山城 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 14 巻 1 号 p. 11-16

詳細
抄録
 一次性膀胱尿管逆流症 (VUR) 患児78例のアンギオテンシン転換酵素 (ACE) の遺伝子多型の検討と腎機能の評価を行った。DD型を有する患児で有意に腎機能の低下 (GFRの低下等) を認めた。対象患児の中には,両側性の矮小腎を来した症例は無かったが,一側性の矮小腎は24例に見られた。DMSAと造影MRIの解析より,うち,3例は反復性尿路感染に基づく萎縮腎と考えられたが,残りの21例は,先天的な矮小腎 (低形成/異形成による) と考えられた。DD型10例のうち,7例が先天的な矮小腎を有していたと考えられ,VURにしばしば合併する萎小腎の成因にACEの遺伝子多型が関与している可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2001 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top