抄録
私達は月経に関連して蛋白尿を繰り返し,その後再発したネフローゼ症候群の14歳女性を経験した。患者は4歳時にフローゼ症候群を発症し,頻回の再発を繰り返していた。平成8年からは,シクロスポリン療法にて寛解が維持されていた。しかし初潮が始まる同時期に蛋白尿が出現した。1日尿蛋白量は3.1g認めたが,シクロスポリン療法を変更することなく経過を観察したところ,月経終了後10日目に蛋白尿は消失した。以後も月経前後に蛋白尿を繰り返し,その後にネフローゼ症候群の再発を認めた。月経が蛋白尿の出現や再発に関連したと考えられた。