腎移植患者における免疫抑制剤のTherapeutic drug monitoring (TDM) として,Area under the curve (AUC) の有用性がいわれているが,今回は小児腎移植患者に対して3回の採血ですむ推定AUC0-4の有用性を検討した。推定AUC0-4はAUC0-4とよく相関し,C2よりもAUC0-4との相関が強かった。また,AUC0-4のデータを元にした免疫抑制剤の初期投与量の検討も同時に行ったが,CyAは体重に関係なく,11mg/kgで目標AUC0-4が5000ng.hr/mlとなった。一方FKはAUC0-4を150ng.hr/mlにするのに,20kg以下が0.75mg/kg,20~30kgが0.45mg/kg,30~40kgが0.4mg/kg,40~50kgが0.3mg/kgと体重により初期投与量を変える必要があった。ただ,初期投与量はあくまで目安とすべきと考えられた。