日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
腹膜炎を契機に発見されたネフローゼ症候群の1例
鴨志田 久子渡辺 美保古田 博文内藤 広行福島 直樹富樫 武弘大川 由美久保田 知樹
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2004 年 17 巻 2 号 p. 103-107

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抄録
今回, 我々は腹膜炎を契機に発見されたネフローゼ症候群の1男児例を経験した。突然の血性嘔吐と腹痛で発症した。腸重積が疑われ, 緊急開腹術が施行された。術中所見は腹水貯留以外に異常を認めなかった。検査所見で蛋白尿, 低蛋白血症, 高コレステロール血症, 浮腫を認めていたためネフローゼ症候群として当科に転科した。腹水培養から肺炎球菌が検出されたため, 腹膜炎に合併したネフローゼ症候群と診断した。発症時のIgGは114mg/dlと低値であり, 一過性にIgG2低下状態を伴っていたと推測され, その結果肺炎球菌による腹膜炎がネフローゼ症候群に合併したと考えられた。ステロイドの反応性は良好であった。
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© 2004 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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