日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
新生児期に急性腎不全を来した先天性水腎症の2症例
藤永 周一郎金子 一成高田 大大友 義之小林 堅一郎多田 実赤司 俊二山城 雄一郎
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2004 年 17 巻 2 号 p. 136-141

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抄録
近年, 胎児エコーの普及により無症候性の先天性水腎症例が増加している。多くは自然軽快するため, 治療方針としては経過観察が主体となる。
今回我々は尿管膀胱移行部狭窄 (症例1) または後部尿道弁 (症例2) による両側水腎症で新生児早期に乏尿性腎不全を来した2症例を経験した。2例とも尿ドレナージによって速やかに腎機能は改善したため腎後性急性腎不全と診断した。
したがって両側性水腎症の場合には, 稀ではあるが, 尿路結石などの合併症によって出生直後に急性腎不全を来す場合があるため注意が必要である。
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© 2004 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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