日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
小児期ネフローゼ症候群におけるシクロスポリンの体内動態についての検討
梅村 佳予子諸岡 正史山本 康人伊藤 薫子木曽原 悟美濃和 茂矢崎 雄彦浅野 喜造
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2005 年 18 巻 2 号 p. 105-109

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抄録

小児期特発性ネフローゼ症候群16例を対象として,シクロスポリンのマイクロエマルジョン製剤の血中濃度モニタリングを行い,モーメント解析で算出した各パラメーターと血中濃度時間曲線下面積(AUC)との関連,ばらつき(CV%)を検討した。内服前血中濃度(C0),内服6時間後血中濃度(C6)はAUC0-12と良好な相関を示した。多くの例で内服後1~2時間の時点で最高血中濃度到達時間(Tmax)を呈したが,CV%は高値で,また,一部に二峰性の推移を示す例や最高血中濃度(Cmax)のはっきりしない例がみられた。今回のわれわれの検討から小児においてAUC0-12との相関はC0,C6,C4,C2の順に良く,C1では相関性を認めなかった。これらの相関性を認めたパラメーターはモニタリングの指標となりうると考えられたが,一部で特異な体内動態を示す例もみられたことから,さらなる検討を要すると思われた。

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© 2005 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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