日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
高カリウム血症に対するサルブタモール吸入の効果
相馬 洋紀高田 彰斉藤 雅彦石川 健千田 勝一
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2005 年 18 巻 2 号 p. 101-104

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抄録

急性腎不全のため高カリウム血症をきたした2歳から10歳の小児4例と,成人1例に対してβ2抹刺激薬,サルブタモールの吸入療法を行い,その効果を検討した。サルブタモール吸入前の血清カリウム値は5.5~7.4mEq/Lで,サルブタモールは100μg/kg(体重25kg以上には5mg)を使用した。この30分~2時間後に4例で陽イオン交換樹脂を,1例でグルコース・インスリン療法を併用した。この併用前の吸入30分後に評価できた2例の血清カリウム値は,1例が6.3mEq/Lから6.0mEq/Lへ,もう1例が6.9mEq/Lから6.0mEq/Lへ低下した。全症例の吸入前と吸入4時間後の血清カリウム値は,中央値で6.3mEq/L(範囲5.5~7.4)から5.2mEq/L(範囲4.6~7.0)へと有意に低下し,この間に動悸,頻脈,振戦などの副作用は認めなかった。サルブタモール吸入は高カリウム血症の初期治療として有効であり,簡便かつ安全な治療法と考えられた。

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© 2005 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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