日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
小児期発症腎疾患患児における低用量および高用量ミゾリビンの薬物動態に関する比較検討
阿部 祥英宮沢 篤生三川 武志大戸 秀恭久野 正貴辻 祐一郎渡邉 修一郎小田島 安平板橋 家頭夫
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2005 年 18 巻 2 号 p. 91-96

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抄録

小児期発症の腎疾患患児8症例をミゾリビン低用量投与群(4mg/kg/日未満,2mg/kg/回)と高用量投与群(4mg/kg/日以上,2mg/kg/回)に分け,ミゾリビン投与量と薬物動態パラメータの関係について検討した。全例とも腎機能は正常であった。低用量投与群のCmaxは0.64±0.15 μg/mL,AUC0−∞は3.64±1.20 μg•h/mLで,高用量投与群のCmaxは1.46±0.95 μg/mL,AUC0−∞は8.28±5.93 μg•h/mLであった。他施設での検討であるが,成人関節リウマチ患者において,1.00±0.13mg/kg/回のミゾリビン投与量でのCmaxは0.59±0.22 μg/mL,AUC0−∞は4.30±1.98 μg•h/mLで,1.89±0.31mg/kg/回でのCmaxは1.48±0.36 μg/mL,AUC0−∞は9.84±1.72 μg•h/mLであったとされる。今回の検討で,成人と同様のCmax,AUC0−∞を得るには,小児では,体重1kg当たり,成人の約2倍量のミゾリビン投与が必要であることが示唆された。よって,小児では,成人と異なるミゾリビン投与設計を行う必要がある。

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© 2005 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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