抄録
症例は14歳,女児。2005年の学校検尿で初めて蛋白尿・血尿を指摘された。約1年後に近医を受診し,BUN,Crの上昇を指摘され,精査目的で当院に紹介された。腎生検にて33個の糸球体のうち20個の糸球体が全硬化しており,5個の糸球体に半月体を認めた。蛍光抗体法ではpauci-immune typeでMPO-ANCA 45EUであったことからANCA関連腎炎と診断した。PSL,シクロフォスファミドによるカクテル療法を行い,ANCAは消失し,腎機能は軽度改善した。病理組織学的にも改善が認められた。検尿異常の発見から1年が経過していたにもかかわらず,治療に反応性を示した興味深い症例のため若干の考察を加えて報告する。