日本小児腎臓病学会雑誌
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症例報告
幼児期に腎不全となったrenal-retinal dysplasia (Senior-Loken症候群) の1例
山田 晃郎臼井 清隆長野 美子柴田 元博都築 一夫
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2007 年 20 巻 1 号 p. 42-47

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抄録
 renal-retinal dysplasia (Senior-Loken症候群) は,一般的には若年性ネフロン癆の中で網膜色素変性症を伴う病態を示す1)。最近,若年性ネフロン癆の原因遺伝子が解明され,臨床分類に加え原因遺伝子から見た分類もなされている。原因遺伝子により腎不全発症年齢にも差がありinfantile,Juvenile,adolescent typeと分類できる。
 今回われわれは,3歳女児,貧血,活動性の低下を主訴に入院し血液検査にて腎不全と診断され,腎生検にてSenior-Loken症候群と診断した1例を経験した。3歳児検尿,学校検尿などの尿スクリーニング検査では本疾患の早期発見は困難である。原因不明の乳幼児の視力障害を認めた場合,本疾患も疑い,尿比重,尿中β2-microglobulin等の測定を行うことが早期診断に有用であると思われた。
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© 2007 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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