日本小児腎臓病学会雑誌
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症例報告
2型糖尿病の家族歴がある移植後糖尿病の小児例
鈴木 俊明池住 洋平唐澤 環長崎 啓祐中川 由紀斎藤 和英高橋 公太内山 聖
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2007 年 20 巻 1 号 p. 52-54

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抄録
 母および母方祖母が2型糖尿病という家族歴を有し,腎移植後糖尿病 (PTDM) を発症した12歳,女児を経験した。術前のOGTTでは異常を認めず,タクロリムスベースの免疫抑制を開始していたが,術後1週間過ぎから高血糖となった。術後2ヵ月の時点でタクロリムスをシクロスポリンに変更した後の血糖コントロールは著明に改善し,インスリンから離脱することができた。
 少なくとも移植後早期のPTDMに対しては免疫抑制薬の変更が有効であると思われるとともに,本症例の経験から,1親等内に糖尿病の家族歴がある場合はシクロスポリンベースの免疫抑制が望ましいと考えた。
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© 2007 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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