日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245
症例報告
ステロイド抵抗性を示したC1q nephropathyの1歳女児例
宗 秀典波多江 健小野山 さがの宇都宮 里奈山口 結原田 達生片渕 律子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 20 巻 2 号 p. 208-212

詳細
抄録
 1歳7か月で発症したC1q nephropathyの1例を経験した。C1q nephropathyは蛍光抗体法でメサンギウム領域にC1qの優位な沈着を認めることで診断される1)が,ネフローゼ症候群を高率に発症し,ステロイド抵抗性やステロイド依存性となる可能性が高いと報告されている2)~7)。本症例は,ネフローゼ症候群で発症し,6週間のステロイド剤投与をおこなったが,寛解に至らずステロイド抵抗性ネフローゼ症候群と診断した。腎生検を施行し,光学顕微鏡所見は微小変化群であったが,蛍光抗体法でメサンギウム領域にC1qの優位な沈着を認めたことからC1q nephropathyと診断した。シクロスポリン投与により寛解を維持することができ良好な経過であった。低年齢でのC1q nephropathyの発症の可能性があることが示唆された。
著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top