抄録
1歳7か月で発症したC1q nephropathyの1例を経験した。C1q nephropathyは蛍光抗体法でメサンギウム領域にC1qの優位な沈着を認めることで診断される1)が,ネフローゼ症候群を高率に発症し,ステロイド抵抗性やステロイド依存性となる可能性が高いと報告されている2)~7)。本症例は,ネフローゼ症候群で発症し,6週間のステロイド剤投与をおこなったが,寛解に至らずステロイド抵抗性ネフローゼ症候群と診断した。腎生検を施行し,光学顕微鏡所見は微小変化群であったが,蛍光抗体法でメサンギウム領域にC1qの優位な沈着を認めたことからC1q nephropathyと診断した。シクロスポリン投与により寛解を維持することができ良好な経過であった。低年齢でのC1q nephropathyの発症の可能性があることが示唆された。