日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
シクロフォスファミド投与中に尿中decoy cellが出現したネフローゼ症候群の1例
山本 康人吉川 哲史平井 雅之諸岡 正史浅野 喜造
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2008 年 21 巻 1 号 p. 6-9

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抄録
 症例は14歳,女児。ステロイド依存性頻回再発型ネフローゼ症候群のため,プレドニゾロン (以下,PSL) にシクロフォスファミド (以下,CPM) を併用したところ,CPM投与開始から10日後 (PSL 30mg/日) の時点で,尿中にdecoy cellが出現した。リアルタイムPCR法で尿中のBKウイルスDNA量を測定した結果,copy数が上昇していた。BKウイルス腎症による腎機能障害を来たす可能性もあるため,腎機能や尿所見を慎重に経過観察した。しかし,血清Crの上昇や尿異常はみられず,免疫抑制剤を中止することなく尿中decoy cellは3週間後に自然消失した。BKウイルスは移植領域で問題視されているが,本症例のような免疫抑制剤投与を受けている腎疾患患児についての報告は少ない。よって,今後,類似症例についてのウイルス学的解析を行い,非移植例でもBKウイルス腎症について注意を要するか否か明らかにする必要がある。
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© 2008 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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