抄録
ABO不適合腎移植は,一般的に脾臓摘出が必須と考えられてきたが,小児においてはデメリットが大きい。今回われわれは,ABO不適合腎移植を希望した12歳男児に対し,移植4週間前からMMF,MPによる脱感作療法を開始し,12日前と2日前にrituximabの投与を加え脾臓摘出の回避を試みた。重篤な副作用はなく,血液型抗体の再上昇を認めず,移植後3年の時点で経過は良好である。
同じプロトコルで行った成人例に比べるとB細胞の回復は早い傾向にあったが,免疫学的順応が得られる数週間の抑制を目的としている観点からは,まだ過剰抑制の可能性がある。今後は小児における必要最低限のRituximab投与方法の検討が必要と思われる。