日本小児腎臓病学会雑誌
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総説
小児の尿路奇形: 乳幼児の水腎症とVURにどう対処するか
山崎 雄一郎
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2009 年 22 巻 2 号 p. 172-177

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抄録

 小児尿路奇形の主な病態は尿路閉塞と膀胱尿管逆流症 (VUR) である。尿路閉塞による腎障害を閉塞性腎症と呼び,VUR症例に腎癜痕を認める場合は逆流性腎症と呼ぶ。胎児・新生児エコー検査のルーチン化により乳幼児の無症候性水腎症の診断率は飛躍的に増加し,逆流性腎症の概念の普及にともない初回UTIでのVURの早期発見率も向上した。しかし,胎児水腎症の長期予後,乳幼児VURの長期予後についてはいまだに明確とはいえない。本稿では胎児水腎症の評価,新生児・乳児期にみられる水腎症の長期予後,反復UTI患児にみられるVURの特徴,DMSA腎シンチグラム異常を伴うVURの特徴という4点について近年の報告から明らかになってきたことを概説する。

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© 2009 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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