日本小児腎臓病学会雑誌
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総説
著明な高IgE血症を呈し, STAT3遺伝子に変異を認めた微小変化型ネフローゼ (MCNS) の1例
宮沢 朋生杉本 圭相藤田 真輔柳田 英彦岡田 満竹村 司
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2009 年 22 巻 2 号 p. 178-180

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抄録

 STAT3に変異を認めたI型高IgE症候群 (HIES) に,微小変化型ネフローゼ (MCNS) を発症した1例を経験した。血清IgE値は,4000~25000IU/mlと著増していた。ネフローゼは,ステロイド反応性と抵抗性を繰り返した。STAT3の変異は,Trans-activation domain内のexon23に,A744V (GCT→GTT) のヘテロ変異であり,新規の異常であった。われわれの症例では,関節,骨・軟部組織などの異常の合併は認められなかった。その理由としては,変異部位がTrans-activation domain内にあり,シグナル伝達に最も影響するDNA binding domain部ではなかったことなどが推測される。

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© 2009 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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