日本小児腎臓病学会雑誌
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総説
レニン・アンジオテンシン系 (RAS) の歴史と新展開
—from bench to bed: 臨床医にとって, なぜ基礎研究が大切なのか—
香美 祥二
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2010 年 23 巻 2 号 p. 179-182

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抄録
 レニン・アンジオテンシン系(RAS)の研究は,腎臓レニンの発見以来100年以上の歴史を経て,血圧や体液調節に必須の全身性調節機構という古典的コンセプトを確立してきただけでなく,降圧剤の開発とその臨床応用,新たな組織RAS (tissue RAS) コンセプトへの発展という,まさしく “from bench to bed, from bed to bench” 的展開を成し遂げてきた。特に腎臓領域では,腎発生過程,腎機能調節,慢性腎臓病の進展とさまざまな局面での腎組織RASの役割が証明されており,現在,慢性腎臓病 (CKD) の治療法としてRAS阻害薬がグローバルに試みられつつある。これらの医学,医療上の発展は,数多くの基礎医学者,臨床医学者 (Physician-Scientist),リサーチマインドをもつ臨床医による膨大な基礎・臨床研究の成果に基づいている。
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© 2010 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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