日本小児腎臓病学会雑誌
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総説
注目すべき新機軸—Bone-Kidney axis—
大薗 恵一
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2010 年 23 巻 2 号 p. 189-194

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抄録
 CKD-MBD (chronic kidney disease-mineral and bone disorders) は,腎機能の低下に伴い,カルシウム・リン代謝異常,異所性石灰化および骨変形,成長障害などを呈する病態の総称である。また,リン代謝調節の主たる担い手であるFGF23 (fibroblast growth factor23) は骨で生産されるので,腎と骨の間には臓器連関があり,これをBone-Kidney axisと呼ぶ。FGF23が作用するには,1型FGF受容体と抗老化因子として発見されたklothoが必要である。高リン血症は,CKD-MBDの主症状であり,血管の異所性石灰化などを介して死亡リスク増加,心血管障害などをもたらす。腎機能が低下した患者では,蛋白質摂取量のコントロール,リン吸着剤投与などにより,適正な血清リン値に保つことがCKD-MBDを防ぐ上で重要である。
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© 2010 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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