2011 年 24 巻 1 号 p. 112-113
ヘノッホ・シェーライン紫斑病 (Henoch-Schonlein purpura, HSP) は, 皮膚, 関節, 消化管や腎に合併症を有する全身性血管炎で, 大部分が小児期に発症する。腎外症状は合併症なく速やかに改善することが多く, 腎障害の程度がHSPの長期予後に関連すると報告されている。腎合併症は, 血尿や蛋白尿が軽度なものからネフローゼ症候群 (NS) を呈する症例までさまざまで, HSP患者の約1/3に認められる。腎障害は大部分が軽症で経過観察にて改善を認めるが, 1%弱の患児が腎死をきたすと考えられている。
今回, 著者らは, 紫斑病性腎炎患児への進展リスク因子や診断のために必要な経過観察期間を明確にするため, HSP患児における腎障害時の臨床経過を6か月間前方視的に検討した。