2011 年 24 巻 1 号 p. 8-12
目的: 初発有熱性UTIにおいて,急性期DMSAとUSを組み合わせることでVCUGの適応を絞れるかを検討した。
対象と方法: 当センターにおいて,初発有熱性UTIと診断された27例 (男児20例,女児7例,中央値年齢3か月) を対象とした。入院後7日以内にDMSAおよびUSを施行し,その後VCUGを施行。
結果: VURは11例 (40%) に認められた。8例は片側,3例は両側で,grade II度が3例で他はすべてIII度以上であった。急性期DMSAによる高度VURの検出率は88%であったが,急性期DMSAとUSを組み合わせると高度VURをすべて検出することが可能となり,感度・陰性的中率はともに100%であった。結果として27例中10例 (37%) の児がVCUGを回避できたと考えられた。
結語: 急性期DMSAおよびUSいずれかに異常が認められた場合のみVCUGを施行すれば,不必要なVCUGを回避できると考えられた。