抄録
CAKUTは尿路における先天異常の総称で腎臓(e.g. 腎低形成,腎異形成),腎盂尿管(e.g. 水腎症,巨大尿管症),膀胱(e.g. 尿管瘤,膀胱尿管逆流(VUR)),尿道(e.g. 後部尿道弁(PUV))などの疾患を含む。胎児期に発見されるCAKUTは中枢神経系の異常に次いで多く,全出生の0.3~0.6%にのぼる。出生後早期にVCUGを行った方が良い病態は,1.膀胱の変形,壁の肥厚・巨大膀胱,PUVなどの閉塞性疾患,2.水腎水尿管を認める症例,3.両側性の上部尿路拡張症例,などである。
99mTc DMSA腎シンチグラムは主にVURに対する分腎能や腎瘢痕の評価に適している。99mTc MAG3を用いたレノグラムは主に水腎症などの閉塞性尿路疾患に対して行われ,分腎機能と尿流通過状態を評価するために用いられる。
本稿では具体例を挙げながら,CAKUTに対するVCUGと核医学検査について概説する。